ここでは、磁気テープのデータ消去についてご紹介します。磁気テープに記録されたデータは、もしテープが伸びたり切れたりしていたとしても復旧できる可能性があります。この点から、情報漏洩を防ぐためには確実にデータの読み込みが行えない状態にする、という点が非常に重要になってきます。
「磁気テープ」は、かつて音楽用のカセットテープやビデオテープに用いられ、データ保存用のメディアとしても長い歴史があります。最近ではHDDなどに取って代わられたイメージを持っている方も多いかもしれませんが、現在でもさまざまなところで利用されています。
HDDと比較すると、磁気テープは耐用年数が30年程度と非常に長い点が特徴。さらに低コストで携行性に優れている点などから、長い期間データ保存を行う場合に適した媒体といえるでしょう。さらに、データの転送速度にも優れており、停電やウイルス感染によるデータ損失のリスクが低い点も磁気テープのメリットです。
磁気テープの場合、既に書き込まれているデータの削除やフォーマットを行って表面上は見えなくなったとしても、実はテープに「削除しました」という情報を書き加えただけの状態となっています。そのため、実際はデータの消去が行われていない状態です。
以上の点から、テープからデータが消去されたわけではないため、復元が可能なケースがある点について注意する必要があるといえます。
磁気テープへ上書きを行う方法もあります。これは、全ての領域を真っ黒に塗りつぶすことによってデータの復元を行えない状態にするものです。データ消去の観点から考えると有効な方法ではあるものの、全ての領域を潰すために時間がかかるというデメリットがあります。さらに、本当に上書きされているのか、復元が不可能かといった点を確認する手間が必要になってきます。
磁気テープに書き込まれたデータを消去する場合には、磁気データ消去がひとつの方法です。この方法は、専用の磁気データ消去装置を使用して、磁気の向きを全て同じ方向に整えてデータ消去を行っていきます。瞬時にデータ消去ができる方法であるため、手間がかからないというメリットがあります。
ただし、磁気記録馬体は多少の磁気に対応できる「保磁力」を持っています。磁気によるデータ消去を行う場合には保磁力を超える磁気を持った磁気が必要である点に注意が必要です。
この方法は、データが記録された媒体を物理的に破壊することによって、データ復元を行えない状態にする方法です。ただし、データを消去するわけではなく単純に媒体の破壊により読み込みが行えない状況にしている、というわけです。
また、磁気テープを出してハサミで切るだけでは十分といえませんので、専用の物理破壊装置を使用することが望ましいといえます。
磁気テープのデータ消去についてご紹介してきました。磁気テープを使用する場合は、消去・破壊を行う専用の装置を購入する、または専用装置と技術を保有している業者にデータ消去を委託することによって消去可能であるといえます。
専用機器の使用により、強力な磁気でデータ消去や破壊を行えるため、大量のデータ消去を行う必要がある場合も、効率的に作業を行えます。
また物理破壊を行う場合にも、専用機器があれば総務省のガイドラインに則った、「プロでも復旧が不可能」なレベルのデータ消去を行えます。さらにメディアを1台破壊するのに10秒程度で行える専用機器もあります。
以上の点から、データ消去を依頼する際には、専門装置を保有している業者に相談することによって、情報漏洩に関するリスクを軽減しながら、しっかりとデータ消去を行えます。
※2022/4時点公式HPより
2022年4月時点で「データ消去」で検索して公式サイトが表示される上位35社をピックアップ。 消去証明書の発行または第三者機関の認定があるデータ消去サービス・販売企業の中から以下の基準で選定
アドバンスデザイン:全ての消去方法に対応。データ復旧会社の消去サービスを提供
ブランコ・ジャパン:消去したデバイス数が最多2.5億台以上(2022年6月公式HPより)
日東造機:物理破壊装置の業界シェアNo1(※)参照元:日東造機(http://nittoh.co.jp/db50pro.html)2022年6月時点
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