HDDを廃棄したい場合には、その中に保存されているデータを完全に消去する必要があります。そこでこちらのページでは、HDDのデータを消去する方法についてまとめています。
HDD内のデータを完全に消去する方法としては、まず「データ消去ソフト」の利用が挙げられます。この時に使用するソフトには、フリーソフトもありますし、有料ソフトもあります。個人で入手可能なソフトにもさまざまなものがあるので、その中から選択すると良いでしょう。
データ消去ソフトを使用する場合には、HDD上に無意味なデータを上書きすることによって元のデータを読み取れなくしてデータの消去を行います。この方法を使用した場合のメリットは、HDDを破壊するわけではないため、引き続き利用が可能であることです。パソコンの譲渡や売却などを検討している場合に便利な方法です。
ただし、データ消去ソフトを使用する以上、既に起動できなくなっているパソコンに対しては使用できない方法であることに加えて、ソフトごとにデータ消去の精度が異なっているため、消去を行ったとしても専門業者の手で復元される可能性はゼロではないといった点が難点として挙げられます。
WindowsOSを使用している場合には、データ消去ツールを使用するという選択肢もあります。これは、コマンドプロンプト上で使用する「cipher.exe」というツールを使用することによってデータの完全消去を行う方法です。
このツールはNTFSの暗号化を制御するものですが、「ディスクワイプ」と呼ばれるデータ消去に関係するオプションが設けられており、この機能を用いてHDDのデータ消去を行います。
消去を行う場合には、特定パターンのデータをディスクの容量いっぱいまで3回書き込み、さらにそのデータを削除するといった方法で完全消去を行います。ただし、この方法の場合は完全消去の実行を確認するための方法がないこと、消去作業にかかる時間がかかることなどが難点といえる部分です。
HDD内のデータを消去するのとは少し異なる方法ですが、HDDをパソコンから取り出して物理的に破壊することにより、HDDのデータを読み取れない状態にできます。取り出したHDDの「プラッター」と呼ばれる円盤状の部分をハンマーなどで叩いて割ることによって、ディスクが二度と読み取れなくなります。プラッターを完全に破壊すればデータの読み取りが不可能になりますが、完全に破壊していない場合にはデータを復元されてしまう可能性があります。また、HDDを外した状態のパソコンは使用できないため、そのままの状態では再度使用することができない点はデメリットといえます。
この方法は「HDDをパソコンから取り出す」ことさえできれば、あとはハンマーなどで叩いて割るだけなので、比較的簡単に費用もかけずに行える方法といえるでしょう。ただし、ディスクを破る際に飛び散ったガラスの破片などで怪我をしないように注意する必要があります。業者がこの方法を行う場合には、ハンマーなどで叩くのではなく専用装置を用いて行います。
物理的にHDDを破壊するのではなく、HDD内の保存や読み込みがされる部分に強い磁気を当て、破壊する方法もあります。ただし、この方法は個人レベルでは行えない方法であるために、もし行いたい場合には専門業者を探して依頼します。その場合、強磁気を当てる機器を持っている業者を探してください。
この方法を使うと、ほぼ確実にデータの完全消去が行えるので、信頼できる業者を選ぶことがポイントとなってきます。
不要になったファイルなどをパソコン上で「ごみ箱」にいれて、「ごみ箱を空にする」という作業を行うと、見かけ上はファイルがなくなったように見えます。
しかし、この方法では、HDD内のデータを完全に消去することはできません。実はHDDの記憶媒体にデータの記録が残った状態となっているため、データ復元ソフトを使用することで簡単にデータを復元できてしまいます。
HDDを初期化する「フォーマット」や、OSおよびHDDを購入した時の状態に戻す「リカバリー」を行うことで、HDD上のデータを消去することができます。いずれの方法も、実行したあとはHDD上のファイルは消去されたように見えますが、実はHDDの「記憶演算子」と呼ばれる部分にデータが残っている状態となっています。
上記でご紹介した「ごみ箱を空にする」という方法と同じように、完全にデータ消去を行った状態ではないため、復元ソフトなどを利用すればデータを復元できてしまいます。
古いPCのHDDや、故障したHDDを廃棄する際には、基本として第三者に社内の情報を盗まれたり、悪用されたりするリスクを回避するためにも、HDDのデータを完全に消去しておくことが大切です。ここではHDDの廃棄方法について解説していきます。
「パソコンリサイクル法」が2003年に施行されたことにより、パソコンメーカーにはパソコンの回収及びリサイクルが義務付けられることになりました。社内のパソコンのメーカーがわかる状態であれば、メーカーによる回収を利用するのが安全かつ手軽に廃棄できる方法です。
ただし、メーカーによる回収の場合にはPCリサイクルマークがついていれば無料で回収してもらえますが、そうでない場合には別途料金が発生します。これは、家庭用パソコンがリサイクル料金込みで販売されているのに対し、ビジネスPCはリサイクル料金が含まれていないためです。
メーカー以外にパソコンの廃棄を行えるのは、「産業廃棄物収集運搬許可」を得ている専門業者のみとなっています。自作パソコンや購入元のメーカーがわからないパソコンの廃棄は業者に依頼しましょう。
廃棄業者のなかには無許可で営業している悪質な業者も存在するので注意が必要です。許可を得ている業者であること。不法投棄をしていないかなど事前に調べて依頼するようにしましょう。
HDDを廃棄や売却を行おうとする場合には、データを完全に消去することが大切です。データを消去する方法にはさまざまなものがありますが、中には完全には消去できない方法や、復元ソフトを使ったり専門の業者に依頼すれデータを復元できてしまう方法もあるため、注意が必要です。
また、パソコンが起動できないためにデータ消去ソフトが使えないという場合や、完全にデータを消去したいという場合には、専門業者への依頼がおすすめといえます。業者に依頼する場合には、信頼できる業者かどうかといった点についてもよく確認することが重要です。具体的にデータの消去方法を説明しているか、データ消去証明書を発行しているかなど、ポイントを押さえた上で信頼できる業者探しをしてください。
※2022/4時点公式HPより
2022年4月時点で「データ消去」で検索して公式サイトが表示される上位35社をピックアップ。 消去証明書の発行または第三者機関の認定があるデータ消去サービス・販売企業の中から以下の基準で選定
アドバンスデザイン:全ての消去方法に対応。データ復旧会社の消去サービスを提供
ブランコ・ジャパン:消去したデバイス数が最多2.5億台以上(2022年6月公式HPより)
日東造機:物理破壊装置の業界シェアNo1(※)参照元:日東造機(http://nittoh.co.jp/db50pro.html)2022年6月時点
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