磁気消去とは、専用装置によってHDDや磁気テープへ強い磁界を加え、磁気記録へのアクセスを困難にするデータ消去方法です。
パソコンやHDDが正常に起動・認識しなくても処理できる場合があり、故障したHDDや、大量の磁気媒体を比較的短時間で処理したい場合にも利用されています。
一方、SSD、NVMe SSD、USBメモリ、SDカードなど、磁気を使わずにデータを保存する媒体には利用できません。また、磁気消去後のHDDは、原則として再利用を前提とせず、廃棄・再資源化します。
磁気消去を適切に行うには、「強い磁界を当てればよい」と考えるのではなく、対象媒体と装置の適合性、HDDとSSDの判別、シリアル番号の照合、処理結果、処理後の廃棄まで含めて管理することが重要です。
このページでわかること
磁気消去は、HDDや磁気テープを再利用せずに処分する場合の選択肢です。媒体の種類・状態・処分目的を確認し、対象媒体へ適した方法を選びましょう。
磁気消去が向いているかは「媒体・状態・処分目的」で判断
| 状況 | 検討したい方法 |
|---|---|
| 正常なHDDを再利用・売却する | 上書消去など |
| 正常なHDDを廃棄する | 磁気消去・物理破壊など |
| 故障して認識しないHDDを廃棄する | 磁気消去・物理破壊など |
| SSD・NVMe SSDを再利用する | Sanitize・暗号化消去など |
| SSDを廃棄する | SSDに対応した物理破壊など |
| HDD・SSD・故障媒体が混在する | 媒体・状態ごとに方法を分ける |
磁気消去は、すべてのデータ消去に適した方法ではありません。再利用の有無や媒体の種類を確認してから選びましょう。
HDDは、内部のプラッターと呼ばれる記録面の磁気状態を変化させることでデータを保存しています。
磁気消去では、対象となるHDDへ専用装置から磁界を加え、記録されている磁気状態を変化させます。これによって、保存されていたデータへアクセスすることを困難にします。
NIST SP 800-88 Rev.2でも、磁気記録媒体に対するサニタイゼーション技術のひとつとして、媒体の磁気特性に対応したデガウスの考え方が扱われています。
ただし、磁気消去装置であれば、どのHDDにも同じように使用できるわけではありません。対象媒体の磁気特性に対して、装置の仕様が適合している必要があります。
磁気消去は、「ディガウス」「デガウス」「磁気破壊」「磁気データ消去」などと呼ばれることがあります。
事業者や装置メーカーによって呼称は異なりますが、本記事では、専用装置によって磁気記録へ磁界を加える処理を「磁気消去」と表記します。
なお、「磁気破壊」という名称が使われる場合でも、HDDの外装や記録面を物理的に破壊する処理とは異なります。
磁気消去には、対象となるHDDや磁気テープの磁気特性に対応した専用装置が必要です。
家庭用の磁石をHDDへ近づけるだけでは、記録面全体へ必要な磁界を安定して加えられず、処理結果を確認することもできません。
自己判断で磁石を使用するのではなく、対象媒体へ対応した磁気消去装置や専門サービスを利用しましょう。
磁気消去装置を選ぶ際は、磁界の数値だけで適切な消去ができると判断しないことが重要です。
対象となるHDDや磁気テープの磁気特性に対して、使用する装置が適合しているかを確認する必要があります。
また、装置によって対応媒体、投入方法、必要な処理回数などが異なる場合があります。
装置を購入・レンタルする場合や専門業者へ委託する場合は、次の項目を確認しましょう。
磁気消去では、保存されていたユーザーデータだけでなく、HDDの動作に必要な磁気情報にも影響する場合があります。
そのため、磁気消去後のHDDは原則として再利用・売却・譲渡せず、廃棄・再資源化する前提で取り扱います。
処理後もHDDを利用したい場合は、正常に動作するHDDを対象とした上書消去など、再利用を前提とする方法を検討してください。
磁気消去を実施すれば、すべての組織でそのまま媒体を廃棄できるとは限りません。
例えば、NSA/CSSの要件に沿って磁気HDDを処理する場合は、評価済みの磁気消去装置による処理後に、HDD内部のプラッターを変形させる物理破壊を行うことが求められています。
これはNSA/CSSが扱う機密情報を対象とした要件であり、すべての日本企業に一律で適用されるものではありません。
自社で必要な処理水準は、保存されていた情報の機密性、社内規程、契約条件、業界ガイドラインなどを踏まえて決めましょう。
| 媒体 | 磁気消去 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 3.5インチHDD | 対応装置であれば可能 | 装置の対応媒体・仕様を確認する |
| 2.5インチHDD | 対応装置であれば可能 | ノートPC内蔵媒体がHDDかSSDか判別する |
| サーバーHDD | 対応装置であれば可能 | HDDの種類・磁気特性を確認する |
| LTOなどの磁気テープ | 対応装置であれば可能 | テープ規格と装置仕様を確認する |
| フロッピーディスクなど | 装置による | 対応媒体一覧を確認する |
| SATA SSD | 不可 | Sanitize・暗号化消去・物理破壊などを検討 |
| NVMe SSD | 不可 | 磁気消去ではデータを処理できない |
| USBメモリ・SDカード | 不可 | フラッシュメモリ向けの方法が必要 |
一般的な磁気記録方式のHDDは、磁気消去の対象となります。
ただし、実際に処理できるかは、HDDの記録特性と使用する装置の対応仕様によって異なります。
3.5インチ・2.5インチといった形状だけでなく、装置メーカーが示す対象媒体や磁気特性まで確認しましょう。
LTOなどの磁気テープやフロッピーディスクも、対応する磁気消去装置で処理できる場合があります。
磁気テープには複数の規格があり、媒体の磁気特性も異なります。HDDに対応した装置であれば、すべてのテープへ利用できるわけではありません。
装置の対応媒体一覧で、対象となるテープ規格や媒体条件を確認してください。
SSDはフラッシュメモリへ電気的にデータを保存する媒体です。磁気を使って記録していないため、磁気消去では保存データを処理できません。
SSDを再利用する場合は、対象製品に対応したSanitize、Secure Erase、暗号化消去などを検討します。
廃棄する場合は、NANDフラッシュメモリなどの記録部分に対応した物理破壊などが選択肢になります。
USBメモリやSDカードも、SSDと同様にフラッシュメモリを使用しています。
磁気消去装置へ投入しても、データ消去の効果は期待できません。媒体に対応した消去方法や物理破壊などを選びましょう。
ノートパソコン、デスクトップパソコン、サーバー、NASには、HDDとSSDが混在している場合があります。
例えば、データ保存用にHDD、OSやキャッシュ用にSSDが搭載されている場合、HDDだけを磁気消去してもSSD側のデータは処理されません。
処理前に端末へ搭載されているすべての記憶媒体を確認し、HDD・SSDそれぞれに適した方法を選んでください。
企業のPC入れ替えでは、正常なHDDだけでなく、SSD搭載PC、故障HDD、故障SSDなどが同時に発生することがあります。
この場合、すべての媒体を磁気消去することはできません。
| 媒体・状態 | 検討する方法 |
|---|---|
| 正常なHDDを再利用する | 上書消去など |
| 故障HDDを廃棄する | 磁気消去・物理破壊など |
| SSDを再利用する | Sanitize・暗号化消去など |
| 故障SSDを廃棄する | SSDに対応した物理破壊 |
複数種類の媒体をまとめて処理する場合は、磁気消去だけでなく、上書消去や物理破壊など、媒体や状態に応じて方法を選べる会社を比較するとよいでしょう。
磁気消去では、HDDへ電源を入れたり、OSやファイルシステムから認識させたりする必要がありません。
そのため、次のようなHDDでも利用できる場合があります。
ただし、故障しているHDDであれば無条件に磁気消去できるわけではありません。対象媒体と装置の仕様が適合していることが前提です。
磁界を加える工程自体は、短時間で完了する装置があります。
そのため、PCの入れ替え、サーバー廃棄などで、多数のHDDをまとめて処理する場合に適することがあります。
ただし、実際の作業時間には次の工程も含まれます。
装置単体の処理時間だけでなく、媒体管理を含む全工程で作業時間と人員を見積もりましょう。
上書消去では、HDDが正常に認識され、対象領域へデータを書き込める必要があります。
磁気消去は、HDD上のOS、ファイルシステム、パーティションなどから独立して処理できる点が特徴です。
保存されていたOSやファイルシステムが分からないHDDを廃棄する場合にも利用できます。
磁気消去は、HDDを破砕・切断する処理ではないため、磁気消去そのものの工程では金属片や粉塵が発生しにくい点が特徴です。
ただし、磁気消去後のHDDは最終的に廃棄・再資源化する必要があります。求める処理水準によっては、磁気消去後に物理破壊を組み合わせる場合もあります。
磁気消去装置を依頼先へ持ち込み、その場で処理するオンサイトサービスもあります。
媒体を社外へ持ち出したくない組織では、社内で立ち会いながら処理できる点がメリットです。
オンサイトサービスを利用する場合は、装置の搬入条件、作業スペース、安全管理、作業記録、処理後の媒体の扱いまで確認しましょう。
磁気消去後のHDDは、原則として再利用を前提にできません。
HDDを社内で再配置する、売却する、譲渡するなど、処理後の利用を予定している場合は、上書消去など再利用を前提とした方法を検討してください。
磁気消去の対象は、HDDや磁気テープなどの磁気記録媒体です。
SSD、NVMe SSD、USBメモリ、SDカードなどを誤って「処理済み」と判断すると、データが残ったまま廃棄・売却される可能性があります。
作業前に媒体の種類を判別し、HDD用とSSD用の処理フローを分けましょう。
磁気消去後のHDDは、外観がほとんど変わらない場合があります。
そのため、見た目だけでは未処理のHDDと処理済みのHDDを区別できません。
処理を管理するためには、次の情報を記録しましょう。
専用の磁気消去装置を使用しても、装置の性能や仕様が対象HDDへ適合していなければ、適切に処理できない可能性があります。
装置を選ぶ際は、次の項目を確認してください。
磁気消去を自社で行う場合は、専用装置の購入またはレンタルが必要です。
装置購入では、購入費だけでなく次の費用・運用も考慮します。
磁気消去装置は強い磁界を発生させるため、装置メーカーの注意事項に沿って使用する必要があります。
磁気の影響を受ける機器、磁気カード、時計、医療機器などに関する注意事項を確認し、装置メーカーが指定する作業環境・安全距離を守りましょう。
磁気消去はデータのサニタイゼーションを行う工程であり、HDDそのものの最終処分を完了させるものではありません。
磁気消去後のHDDを適切な廃棄・再資源化ルートへ引き渡し、必要に応じて最終処分まで記録しましょう。
| 比較項目 | 上書消去 | 磁気消去 | 物理破壊 |
|---|---|---|---|
| 主な対象 | 正常に認識できるHDDなど | HDD・磁気テープ | HDD・SSDなど |
| 再利用 | 可能 | 原則不可 | 不可 |
| 故障媒体 | 処理できない場合がある | HDDなら対応できる場合がある | 対応可能 |
| SSD | SSDに適した別方式を検討 | 不可 | 対応する破壊方法で可能 |
| 処理時間 | 容量等によって長くなる | 磁気処理自体は短時間の装置もある | 装置・破壊方法による |
| 主な証跡 | ソフトログ・検証結果 | 装置ログ・作業記録 | 作業記録・破壊後の写真など |
| 主な用途 | 再利用・売却 | HDD・磁気媒体の廃棄 | 再利用しない媒体の廃棄 |
HDDの対象領域へ別のデータを書き込み、以前のデータへのアクセスを困難にする方法です。
媒体を再利用できる一方、対象HDDが正常に認識され、必要な領域へ書き込めることが前提です。
専用装置の磁界によって、HDDや磁気テープの磁気記録を処理します。
HDDを起動・認識できない場合にも利用できる可能性がありますが、SSDには利用できません。また、処理後のHDDは原則として再利用しません。
HDDやSSDの記録部分を、専用装置によって圧壊・破砕・細断などする方法です。
媒体を再利用できなくなりますが、HDD・SSDの両方へ適用できます。媒体の構造に合った方法で記録部分を処理することが重要です。
データ消去方法は、単純な安全性の優劣ではなく、媒体の種類・状態と処分目的から選びます。
OSやデータ消去ソフトから認識できないHDDでは、上書消去を実行できない可能性があります。
磁気消去は、HDDへ通電・認識させる必要がないため、故障HDDを再利用せず廃棄する際の選択肢になります。
処理対象が廃棄予定のHDDであり、再配置・売却・譲渡する予定がない場合は、磁気消去を検討できます。
多数のHDDを上書消去する場合は、容量などによって長時間かかることがあります。
磁気消去は磁界を加える工程が比較的短い装置があるため、大量のHDDをまとめて処理する場合に適することがあります。
ただし、実際の処理能力は、1回に投入できる媒体数、連続処理性能、媒体の照合・記録方法なども含めて判断してください。
機密性の高い情報を保存していたHDDでは、媒体を社外へ持ち出さずに処理したい場合があります。
磁気消去装置を現地へ持ち込むオンサイトサービスを利用すれば、社内で立ち会いながら処理できる可能性があります。
バックアップに使用していた磁気テープを大量に廃棄する場合も、対応装置による磁気消去が選択肢になります。
ただし、テープ規格や磁気特性によって利用できる装置が異なるため、対象媒体への対応を確認してください。
上書消去中に不良セクタや書き込みエラーが発生し、正常終了を確認できないHDDは、そのまま処理済みとして扱わないようにします。
再利用しない場合は、磁気消去や物理破壊など別の方法への切り替えを検討します。
必要なデータが残っている場合は、磁気消去を実行する前にデータ復旧の要否を判断してください。消去処理を実施した後では、データの復旧が困難になります。
最も重要なのは、使用する装置が対象となるHDD・磁気テープに対応しているかです。
「HDD対応」という表記だけで判断せず、装置メーカーが示す対象媒体と仕様を確認しましょう。
NSA/CSSは、磁気消去装置を含む評価済み製品リストを公開しています。
ただし、「NSA対応」という表現だけで判断するのではなく、使用する装置の製品名・型番が対象リストに掲載されているか、その装置が処理予定の媒体へ対応しているかを確認することが重要です。
また、NSA/CSSの評価済み製品リストはNSA/CSSの要件に基づくものであり、掲載されていることがすべての企業に必要な条件というわけではありません。
大量処理を行う場合は、1回に処理できる媒体数、連続処理性能を確認します。
装置単体の処理時間だけでなく、媒体の照合、投入、取り出し、記録に必要な時間も考慮しましょう。
装置が処理結果を表示・記録できるか確認します。
装置から証明書が自動発行されるとは限りません。証明書を必要とする場合は、次の情報をどのように記録するか決めましょう。
磁気消去装置を継続的に利用する場合は、保守・点検・性能確認などの条件を確認します。
メーカーや提供会社が示す管理方法に沿って、装置が必要な性能を維持できるよう管理しましょう。
装置の重量、寸法、必要電源、作業スペース、安全上の注意事項を確認します。
磁気の影響を受ける機器などを装置周辺へ置かないよう、装置メーカーの指示に基づいて作業区域を設定してください。
SSDを磁気消去装置へ入れても、保存データは処理できません。
作業前にHDDとSSDを判別し、媒体ラベル、シリアル番号、端末構成表などを照合します。
大量処理では、HDD用とSSD用の保管場所を分けるなど、誤処理を防ぐ運用を整備しましょう。
| 方法 | 向いているケース | 主な確認事項 |
|---|---|---|
| 装置を購入する | 継続的に大量処理する | 購入費、保守、点検、教育、設置 |
| 装置をレンタルする | 一時的に複数台を処理する | 期間、対応媒体、送料、操作方法 |
| オンサイトサービス | 媒体を社外へ持ち出したくない | 出張費、作業内容、立ち会い、証明書 |
| 回収してもらう | 自社に設備・担当者がいない | 輸送、保管、再委託、処分先 |
| 状況 | 検討しやすい方法 |
|---|---|
| 年間を通して継続的に大量処理する | 装置購入 |
| PC入れ替え時など一時的に大量処理する | 装置レンタル |
| 装置操作・媒体判別を自社で行える | 購入・レンタル |
| 媒体を社外へ出したくない | 自社処理・オンサイトサービス |
| HDD・SSD・故障媒体が混在する | 複数方式に対応する専門業者 |
| 証明書や台帳管理まで任せたい | 専門業者 |
継続的に多数のHDDや磁気テープを処理する組織では、装置購入を検討できます。
ただし、初期費用だけでなく、保守、点検、作業者教育、設置場所、安全管理などの継続コストがかかります。
業者委託やレンタルと年間の処理台数・総コストを比較したうえで判断しましょう。
PC入れ替えやサーバー廃棄など、特定の時期にまとめてHDDを処理する場合は、装置レンタルが選択肢になります。
レンタル時は、次の項目を確認してください。
レンタルすれば必ず購入や業者委託より安くなるとは限りません。配送、社内作業工数、証明書作成、処理後の廃棄費まで含めて比較しましょう。
専門業者が磁気消去装置を依頼先へ持ち込み、その場でHDDを処理するサービスです。
媒体を社外へ持ち出さず、担当者が立ち会える点が特徴です。
次の項目を確認しましょう。
自社に装置や担当者がいない場合は、HDDを業者へ引き渡し、業者の施設で磁気消去してもらう方法があります。
回収委託では、磁気消去の方法だけでなく、輸送中・保管中の管理も確認します。
処理対象となるパソコン、サーバー、NAS、外付けHDD、磁気テープなどを一覧化します。
端末本体だけでなく、搭載されている記憶媒体の本数も確認してください。
端末の仕様書、管理画面、媒体のラベルなどから、HDDかSSDかを判別します。
判別できない媒体を磁気消去済みとして処理しないよう注意しましょう。
処理前に、媒体ごとのメーカー、型番、シリアル番号、資産管理番号を記録します。
複数台を処理する場合は、端末本体と内蔵媒体の対応関係も記録してください。
磁気消去装置のマニュアルや仕様表で、対象媒体へ対応していることを確認します。
媒体のサイズだけでなく、装置メーカーが示す媒体条件を確認してください。
装置メーカーの手順に沿って媒体を投入し、磁気消去を実行します。
投入方法、処理回数、安全上の注意事項など、装置ごとの指示を守りましょう。
装置の表示・ログなどから、処理が正常に終了したかを確認します。
処理結果をHDDのシリアル番号と紐づけて記録してください。
未処理HDDと処理済みHDDを、別の保管場所に分けます。
ラベルだけでなく、資産台帳上でも状態を更新し、取り違えを防ぎましょう。
磁気消去後のHDDを、適切な廃棄・リサイクル事業者へ引き渡します。
必要に応じて、廃棄・再資源化の記録を受け取り、消去記録とあわせて保管してください。
磁気消去後にHDDが読み取れないことだけで、処理の適切さを判断しないようにします。
使用した装置が正常に動作したか、エラー表示がなかったか、対象媒体へ適した条件で処理したかを確認してください。
処理対象として登録したHDDの台数と、実際に処理した台数を照合します。
すべてのHDDについて、シリアル番号と処理結果が紐づいていることを確認しましょう。
磁気消去後のHDDは外観が変わらない場合があるため、保管場所と台帳の両方で処理状況を管理します。
エラーが発生した媒体は処理済みとせず、再処理や物理破壊など別の方法へ切り替えます。
消去証明書を発行する場合は、次の内容を確認します。
証明書を受け取るだけでなく、実際のHDDと証明書の記載内容が一致していることを確認してください。
磁気消去証明書と、HDDの廃棄・再資源化記録は役割が異なります。
消去記録ではデータ処理を、廃棄記録では媒体の最終処分を確認します。必要に応じて両方を保存しましょう。
自社に磁気消去装置がなく、購入・レンタル後の操作や安全管理まで行うことが難しい場合は、専門業者へ依頼する方法があります。
対象HDDや磁気テープと装置の適合性を判断しにくい場合は、対象媒体への対応実績を持つ業者へ相談しましょう。
大量処理では、装置の処理能力だけでなく、HDDの取り外し、シリアル番号管理、HDD・SSDの仕分け、処理後の廃棄まで対応できる体制が必要です。
媒体を外部へ持ち出したくない場合は、オンサイト磁気消去に対応する業者を検討します。
すべての端末を磁気消去できるとは限りません。
正常なHDD、故障HDD、SSD、故障SSDなどが混在している場合は、上書消去・磁気消去・物理破壊など複数方式を選択できるか確認しましょう。
監査や取引先への説明で証跡が必要な場合は、シリアル番号付きの証明書、作業写真、立ち会いなどに対応できるか確認します。
磁気消去後のHDD回収、廃棄、再資源化まで依頼したい場合は、業者の対応範囲や処理後の管理方法を確認してください。
「NIST対応」「NSA対応」などの名称だけで判断せず、どの基準・装置・対象媒体を指しているのかまで確認することが重要です。
磁気消去だけでなく「必要な消去方法を選べるか」で会社を比較
磁気消去は、故障HDDや廃棄予定の磁気媒体に適した方法のひとつですが、SSDや再利用するHDDには別の方法が必要です。
専門業者を選ぶ場合は、磁気消去への対応だけでなく、上書消去・物理破壊、オンサイト、証明書、装置の販売・レンタルなど、自社に必要なサービス範囲を比較しましょう。
A. 専用装置からHDDや磁気テープへ磁界を加え、磁気記録へのアクセスを困難にする方法です。
家庭用の磁石ではなく、対象媒体へ対応する磁気消去装置を使用する必要があります。
A. 主な対象はHDDや磁気テープなどの磁気記録媒体です。
実際に処理できる媒体は装置によって異なるため、対象媒体の磁気特性と装置の対応仕様を確認してください。
A. できません。SSDは磁気でデータを保存していないため、磁気消去では保存データを処理できません。
SSDには、対象製品に対応したSanitize、暗号化消去、物理破壊などを検討します。
A. HDDへ通電・認識させる必要がないため、ソフトで処理できない故障HDDにも利用できる場合があります。
ただし、対象HDDと使用する磁気消去装置が適合していることが前提です。
A. 磁界を加える工程は短時間で完了する装置があります。
実際の作業時間は、HDDの取り外し、HDD・SSDの判別、シリアル番号照合、投入、記録、仕分け、廃棄準備まで含めて判断してください。
A. 原則として再利用を前提にしません。
処理後もHDDを利用したい場合は、正常に動作するHDDを対象とした上書消去など、再利用を前提とする方法を検討してください。
A. 適切なデータ消去方法とはいえません。
磁気消去では、対象媒体の磁気特性へ対応する専用装置を利用する必要があります。
A. HDDを再利用せず廃棄する場合は、どちらも選択肢になります。
情報の機密性、対象媒体、処理台数、利用できる装置、必要な証跡、処理後の廃棄方法などから選びます。SSDには磁気消去を利用できないため、SSDに対応した物理破壊などを検討してください。
A. NSA/CSSの要件では、磁気HDDを評価済みのデガウザーで処理した後、HDD内部のプラッターを変形させる物理破壊が求められています。
ただし、これはNSA/CSSが扱う情報を対象とした要件です。一般企業では、自社の情報管理方針や契約条件などに基づいて必要な処理水準を決めてください。
A. HDDが読み取れないことだけで判断せず、使用した装置、処理結果、シリアル番号、作業記録などを確認します。
エラーが発生した媒体は処理済みとせず、再処理や物理破壊などへ切り替えましょう。
A. 対応媒体、装置仕様、処理能力、利用期間、配送・搬入、操作説明、保守・点検、ログ取得、安全上の注意事項などを確認します。
購入・レンタル費だけでなく、社内作業工数と処理後の廃棄費も含めて比較しましょう。
A. すべてのケースで一律に必要とは限りませんが、監査、取引先への報告、機密情報管理などで証跡を求められる場合があります。
証明書には、媒体のシリアル番号、使用装置、処理日時、作業場所、処理結果などが記録されているか確認してください。
磁気消去は、HDDや磁気テープを再利用せずに処理する場合や、ソフトから認識できないHDDを処理する場合に選択肢となる方法です。
ただし、SSD、NVMe SSD、USBメモリ、SDカードには利用できず、再利用するHDDにも適していません。
そのため、「磁気消去が最も安全」と一律に判断するのではなく、HDD・SSDなどの媒体、正常・故障といった状態、再利用・売却・廃棄の目的に応じて方法を選ぶことが重要です。
法人ではさらに、媒体のシリアル番号、使用装置、処理結果、エラー、廃棄先などを記録し、必要に応じて消去証明書を残しましょう。
HDD・SSD・故障媒体などが混在している場合や、自社で適切な方法を判断できない場合は、上書消去・磁気消去・物理破壊などの対応範囲を比較して委託先を選びましょう。
※2022/4時点公式HPより
2022年4月時点で「データ消去」で検索して公式サイトが表示される上位35社をピックアップ。 消去証明書の発行または第三者機関の認定があるデータ消去サービス・販売企業の中から以下の基準で選定
アドバンスデザイン:全ての消去方法に対応。データ復旧会社の消去サービスを提供
ブランコ・ジャパン:消去したデバイス数が最多2.5億台以上(2022年6月公式HPより)
日東造機:物理破壊装置の業界シェアNo1(※)参照元:日東造機(http://nittoh.co.jp/db50pro.html)2022年6月時点
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| アドバンスデザイン | ブランコ ジャパン |
⽇東造機 | ||
|---|---|---|---|---|
| 販売 | データ消去ソフト | 〇 | 〇 | - |
| 磁気データ消去装置 | 〇 | - | - | |
| 物理破壊装置 | 〇 | - | 〇 | |
| データ消去サービス | オンサイト対応 | 〇 | 〇 | - |
| オフサイト対応 | 〇 | - | - | |
| レンタル | データ消去機器レンタル | 〇 | - | - |
| 公式サイト | ||||